つながりを取り戻すワークのワークショップとは
日本でも世界でも様々な「分断」が起こっており、
その分断が惨状や悲劇を生むきっかけとなってしまっています。
惨状や悲劇の原因となる分断を無くすために、
個人や社会に変容を促す考え方が「つながりを取り戻すワーク」です。
ジョアンナ・メイシーによって生み出された考え方
「つながりを取り戻すワーク」という考え方を生んだのは、
「ジョアンナ・メイシー」という女性です。
彼女は著述家、教師、仏教研究者、システム理論研究者、ディープエコロジー研究者
など様々な肩書を持ち、平和、社会正義、エコロジーの分野における
インフルエンサーでもあります。
様々な活動を通して得た経験と彼女や彼女の仲間が持つ知識を融合させて、
まとめあげられたのが「つながりを取り戻すワーク」という考え方です。
現在でも彼女や彼女の仲間によって改良や工夫が加えられていて、学校や
地域コミュニティなどで「つながりを取り戻すワーク」が使われるようになっています。
「つながりを取り戻すワーク」のスパイラル
ジョアンナ・メイシーによって提唱された「つながりを取り戻すワーク」は
1.感謝から始める
2.世界の痛みを大切にする
3.新しい/いにしえの目で見る
4.前へ進む
という4つのステーションで構成されています。
この4つのステーションをらせん状に進むことで、
つながりを取り戻すワークを理解して実践することができるようになっていくのです。
まず「感謝から始める」ですが、心に余裕が無くなることで自分勝手な思想に支配されて
他人との分断が生まれてしまいます。
なので、最初に全てのことに対して「感謝する」ことで、
心を静めて考え方の違う他者を受け入れるための心の余裕を作ります。
感謝が生んだ余裕が相互存在を気付かせる
心に余裕が生まれると周囲に居る自分以外の人に目が向くようになり、
自分以外の人たちが抱える悩みや苦しみなどに気付き始めます。
自分以外の問題に気付き、理解することが「世界の痛みを大切にする」ことになります。
世界の痛みを大切にすると、世界の痛みが自分に無関係でないことが分かります。
そうすると、自分は独立した存在ではなく、
世界の全ての繋がっている相互存在であることに気付くのです。
相互存在であることに気付くと様々な生命との繋がりを感じる
相互存在であることに気付くと、今度は自分を含めた世界を
「新しい/いにしえの目で見る」ことができるようになってきます。
自分という存在や「今」という時間が、先人たちが築いてきた過去、
子孫たちが築いていくであろう未来と繋がっていると感じ始めます。
新しい/いにしえの目で見ることで、先人たちや子孫たちだけでなく
命あるあらゆる生物との繋がりを感じられるようになるのです。
余談ですが、過去や未来との繋がり、
あらゆる生命との繋がりというのはどこか仏教の考え方に近いです。
「つながりを取り戻すワーク」の提唱者であるジョアンナ・メイシーは仏教研究者でも
あります。
彼女が仏教を研究することで得た知識や経験が、
「つながりを取り戻すワーク」にしっかり生かされているのが分かる部分ですね。
世界の痛み、あらゆる生命との繋がりを受け入れて前へ進む
新しい/いにしえの目で見ることで過去・未来・あらゆる生命との繋がりを
感じられるようになると、次はそれを受け入れて「前へ進む」ことになります。
人間1人1人の行動は子孫たちが築くであろう未来に繋がっているため、
何もせずに立ち止まったままで居ることはできません。
前へ進むことで自分の足跡ができ、
その自分の足跡が自分自身に新しい視点や考え方を与えてくれます。
たとえ前へ進んだ結果が良くなかったとしても、
そこから何かしらの教訓を得ることができるはずです。
そして、新しい視点や考え方を与えてくれたこと、教訓が得られたこと、さらには
前へ進む機会を得られたことに対して「感謝」して1のステーションに戻るのです。
スパイラルをただ巡るだけじゃない
「つながりを取り戻すワーク」のスパイラルの中に居ると、
同じところをグルグルと回っているだけのように感じるかもしれません。
しかし4つのステーションはらせん状に繋がっているため、
同じところを回っているだけのようでも少しずつ高みへ上っていっています。
何度も同じステーションを巡ることにはなりますが、
一巡するたびにそれぞれのステーションは新たな意味を携えてきます。
ですから同じところをグルグル回っているように見えて、
実は一巡するごとに新しい気付きや発見を与えてくれるのです。
まとめ
「つながりを取り戻すワーク」という考え方はSDGsにも繋がるものがあります。
私も、ジョアンナ・メイシーに教えを直接受けた齊藤由香さんの「つながりを取り戻すワーク」ファシリテーター養成講座を修了し、「つながりを取り戻すワーク」に関するワークショップを開催しています。
参加しやすいオンライン形式のものもあるので、「つながりを取り戻すワーク」に
興味が湧いたらぜひワークショップに参加してください。
また企業研修や自治体研修などでこのワークショップをおこなうことも可能です。
つながりを取り戻すワークファシリテーター 寺島義智
お問い合わせはこちら